台風台風

7月から10月にかけては日本に接近・上陸する台風が多くなり、大雨、洪水、暴風、高潮などをもたらします。これらの災害は単独で発生するだけではなく、複合して大きな被害となることがあるので注意が必要です。台風が発生して日本に近づくと、気象庁は台風などの気象情報を発表し、新聞やテレビ・ラジオが一斉に台風の動きを伝えるので、それらの情報を有効に利用しましょう。

台風が接近すると台風が接近すると

気象庁は台風のおおよその勢力を示す目安として、風速(10分間平均)をもとに台風の「大きさ」と「強さ」を表現します。大きさには「大型(大きい)」「超大型(非常に大きい)」、強さには「強い」「非常に強い」「猛烈な」という区分があり(※)、台風に関する情報の中では台風の大きさと強さを組み合わせて、「大型で強い台風」のように呼びます。

(※)区分の基準:気象庁 台風の大きさと強さ

険しい山や急流が多い日本では、台風によって、川の氾濫土石流がけ崩れ地すべりなどの土砂災害が発生しやすくなります。また、台風の接近に伴う暴風により、屋根の一部や看板が飛ばされたり、それらの飛来物によって窓ガラスが割れるなどの被害に見舞われることがあります。さらに、豪雨による家屋の浸水破損部分からの水漏れ室内の家具・電化製品が使用できなくなるなど、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。

備えておこう!

家屋の補強や掃除を行う家屋の補強や掃除を行う

台風が近づいているというニュースや気象情報を見たり聞いたりしたら、家の外と中の備えをもう一度確認しましょう。

家の外の備え
  • 窓や雨戸はしっかりとカギをかけ、必要に応じて補強する
  • 側溝や排水口は掃除して水はけをよくしておく
  • 風で飛ばされそうな物は飛ばないよう固定したり、家の中へ格納する
家の中の備え
  • 非常用品の確認
    懐中電灯、携帯用ラジオ(乾電池)、救急薬品、衣類、非常用食品、携帯ボンベ式コンロ、貴重品など
  • 室内からの安全対策
    飛散防止フィルムなどを窓ガラスに貼ったり、万一の飛来物の飛び込みに備えてカーテンやブラインドをおろしておく
  • 水の確保
    断水に備えて飲料水を確保するほか、浴槽に水を張るなどして生活用水を確保する

危険箇所や避難場所をチェックする危険箇所や避難場所をチェックする

大雨のときには身の回りのどのような場所に危険性が潜んでいるのかを、洪水ハザードマップ・土砂災害危険箇所マップなどであらかじめ確認しておきましょう。

  • 途中に氾濫する可能性のある河川や、浸水する可能性のあるくぼ地などがないか
  • もしもそうした場所があったら、他にどのような経路を通ってどこに避難すべきか
  • 可能であれば家族で実際に歩いてみて、周囲の安全を確認しておく

土のう・水のうを用意する土のう・水のうを用意する

浸水から家を守るために効果的なのが「土のう」です。いざというときにすぐに使えるように、地域で準備するなどの工夫をしましょう。
土のうがない場合は、身近なものを活用した「水のう」を作りましょう。

  • ゴミ袋やビニール袋に水を入れて「簡易水のう」を作る。段ボール箱に入れるとさらに強度が増す
  • 土を入れたプランターをレジャーシートで巻き込み、玄関の止水に利用する
  • 10〜20リットルのポリタンクに水を入れ、レジャーシートで巻き込み連結し、玄関の止水に利用する

防災気象情報を確認する防災気象情報を確認する

台風は地震災害のように突然襲ってくるものではなく、いつ、どこで、どのくらいの規模のものがやってくるのかなどを、ある程度予測することができます。私たちが早めの防災行動をとれるよう、気象庁は台風に関する防災気象情報を随時提供しています。
台風によって大雨や強風、高波などの激しい現象が予想されるときは、気象庁では「警報級の可能性」や「気象情報」を発表し、その後の危険度の高まりに応じて「注意報」、「警報」、「特別警報」を段階的に発表しています。気象警報・注意報は、原則として市区町村ごとに発表されるので、最新の情報を確認するようにしてください。

いざというときには

家財を2階などに移動させる

浸水や洪水の可能性が考えられる場合には、家財など大切なものはなるべく高いところに上げておきましょう。

  • 書類・家電製品・衣類など
    重要書類や高価な家電製品、数日分の衣類は、2階や高い位置に移動させておきましょう
  • 棚の設置
    あらかじめ家のさまざまな場所に厚板で丈夫な棚を作っておくと、いざというときに大事なものの浸水を避けることができるので便利です
  • 床上・床下浸水に備え、畳を外し高い場所へ移動します。食卓の上に載せるだけでも、畳への浸水を防げる場合があります
  • 自家用車
    早めに安全な高い場所へ移動させ、移動が困難な場合は、縁石にタイヤを載せるなどしてエンジン部分を高くし、浸水を避けましょう

ニュースや気象情報をチェックする

ニュースや気象情報をこまめにチェックして最新の情報を受け取るとともに、雨が降り出したら「土砂災害警戒情報」などにも注意が必要です。危険を感じたり、市区町村長からの避難指示があった場合は、あわてず速やかに避難しましょう。

  • 避難の前には、必ず火の始末をする
  • 避難の際の持ち物は最小限にして背中に背負うなど、両手が自由に使えるようにしておく
  • 忘れ物をした場合でも、絶対に取りに戻らない
  • 暴風や浸水で避難場所までの移動が危険な場合は、家の中のできるだけ安全な場所(崖から離れた2階の部屋など)で待機したり、近隣のできるだけ頑丈な建物に避難することも検討する

車での避難に注意

浸水深(※1)が大きくなると、歩行や自動車の走行に支障を来し、避難行動が困難になります。30cmを超えると、エンジンが停止することもあります。特にアンダーパス(※2)や、高低差のある電車のガード下の道路といった「スリバチ状」の箇所に水たまりが発生している場合は、絶対に進入せず引き返しましょう。

(※1)浸水深:浸水域の地面から水面までの高さ
(※2)アンダーパス:立体交差する道路で路面の高さが前後と比べて低くなっている道

浸水深自動車走行
0〜10cm走行に関し、問題はない。
10〜30cmブレーキ性能が低下し、安全な場所へ車を移動させる必要がある。
30〜50cmエンジンが停止し、車から退出を図らなければならない。
50cm〜車が浮き、また、パワーウィンドウ付きの車では車の中に閉じ込められてしまい、車とともに流され非常に危険な状態となる。
出典:千葉県HP 自動車で避難中の危険性