雷は、積乱雲の位置次第で、海面、平野、山岳など場所を選ばず落ち、さらに周囲より高いものほど落ちやすいという特徴があります。グラウンド、平地、山頂、尾根などの周囲の開けた場所にいると、積乱雲から直接人体に落雷することがあり(直撃雷)、これを受けるとおよそ8割は死亡します(※)。また、落雷を受けた樹木などのそばに人がいると、その樹木などから人体へ雷が飛び移ることもあります(側撃雷)。木の下で雨宿りなどをしていて死傷する事故は、ほとんどがこの側撃雷が原因です(※)。
(※)冊子「雷から身を守るには」(日本大気電気学会編集)より
屋外で活動するときは、気象情報をこまめに確認しつつ、空の変化には常に注意を払いましょう。各地の気象台では、毎日5時、11時、17時に天気予報を発表し、雷の危険がある場合には雷注意報を随時発表しています。
積乱雲が近づくサインに気づいたり、雷鳴が聞こえたら、速やかに安全な場所に避難しましょう。単独の積乱雲による激しい現象は、30分から1時間程度で弱まることが多いです。雷ナウキャストで現象の状況を確認しながら、 安全な場所で積乱雲が過ぎ去るのを待つようにしましょう。
近くに安全な空間が無い場合は、電柱などの高い物体のてっぺんを45度以上の角度で見上げる範囲で、4m以上離れたところに避難しましょう。高い木の近くならば、最低でも木の全ての幹、枝、葉から2m以上は離れて姿勢を低くし、持ち物は体より高く突き出さないようにします。雷の活動が止み、20分以上経過してから安全な空間へ移動してください。