感染症感染症

感染症とは、ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入して増えることで引き起こされる病気の総称です。感染してもほとんど症状が出ずに終わってしまうものもあれば、一度症状がでるとなかなか治りにくく、時には死に至るような感染症もあります。
感染症に対する理解を深め、備えをしておくことは、私たちがこれからの新しい日常を安全・安心して送るためにとても重要です。

※本コンテンツでは、感染症のうち、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症を中心に掲載しています。

感染症が発生すると感染症が発生すると

感染症の種類

私たちの身のまわりには、細菌やウイルスなど、目に見えない多くの微生物が存在しています。その中で、感染症を引き起こす微生物を病原体といいます。
「感染症法」では、症状の重さや病原体の感染力などから、感染症を1類〜5類の5種類の感染症と新型インフルエンザ等感染症、指定感染症および新感染症に分類しています。感染症の種類により行政や医療機関の対処法も異なります。

分類感染症名
1類エボラ出血熱、ペスト、ラッサ熱など
2類結核、SARS、MARS、鳥インフルエンザ(一部)など
3類コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフスなど
4類E型肝炎、A型肝炎、狂犬病、マラリアなど
5類インフルエンザ、梅毒、麻疹など
新型インフルエンザ等感染症新型インフルエンザ
指定感染症新型コロナウイルス感染症など(延長含め最大2年間に限定)
新感染症政令で規定

※2020年8月時点の情報です。最新の情報と相違がある可能性がございます。あらかじめご了承ください。

出典:厚生労働省「届出の対象となる感染症の種類」より作成

代表的な感染症例

インフルエンザ

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。突然の高熱と全身のだるさ筋肉痛などの全身症状が起こり、これらの症状と同時か、少し遅れてのどの痛み、鼻汁、咳などの症状が現れてきます。
季節性インフルエンザには流行性があり、日本では、例年12月〜3月が流行シーズンです。通常では発熱が2〜3日持続したあと、1週間程度で回復しますが、時には重症になることもあります。
新型インフルエンザは、多くの人々が免疫を獲得していないことから、急速にまん延することによって起こります。いつどこで発生するのかを予測することは困難ですが、ひとたび発生すれば、人々の命や健康、医療体制、生活や経済全体に大きな影響を与えます。

季節性インフルエンザウイルスA/H1pdm09(福岡県保健環境研究所提供)
新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症は、ウイルス性の風邪の一種です。発熱のどの痛み咳が長引くこと(1週間前後)が多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える方が多いことが特徴です。感染から発症までの潜伏期間は1日から12.5日(多くは5日から6日)と言われています。重症化すると肺炎となり、死亡例も確認されているので注意しましょう。特にご高齢の方や基礎疾患のある方は重症化しやすい可能性が考えられます。

新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真像(国立感染症研究所提供)

主な感染経路

主な感染症の経路には、空気感染、飛沫感染、接触(経口)感染などがあり、感染症の種類によっては複数の感染経路をとるものがあります。感染の拡大防止には感染経路の遮断が重要であり、感染経路を知ることが大切です。

主な感染経路主な感染経路

「緊急事態宣言」とは

新型インフルエンザ等により国民生活や経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある場合、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づき総理大臣が緊急事態宣言を発出し、緊急的な措置を取る期間や区域を指定することができます。緊急事態宣言が発出されると、都道府県知事は住民に対して、外出自粛、学校の休校、施設や店舗の使用制限、イベントなどの中止を要請することができます。

自粛時の行動

ただし外出自粛を要請されたとしても、医療機関への通院食料の買い出し職場への通勤など生活の維持に必要な場合は除くとされています。緊急事態宣言は強制力のある措置は限られ、海外のような「ロックダウン」=「都市封鎖」ではありません。

備えておこう!

感染症の予防法感染症の予防法

感染症を防ぐため、日常生活でできる基本的な感染症対策を徹底しましょう。身のまわりを清潔に保ち、免疫力を低下させないことが大切です。

手洗い・うがい

ドアノブや電車のつり革などさまざまなものに触れることによって、自分の手にもウイルスが付着している可能性があります。外出先からの帰宅、調理の前後、食事前など、口や鼻に触れる前には、こまめにうがい・手洗いをしましょう。

マスク

風邪のような症状があるときは外出を控えましょう。やむを得ず外出する場合はマスクを着用し、人の集まるところでは咳エチケットをこころがけましょう。
ただし梅雨〜夏季は、マスクを着用していると熱がこもりやすく、口の中の湿度が保たれるため喉の渇きを感じにくく、熱中症になるリスクが高まります。屋外で人と十分な距離が確保できる場合にはマスクをはずす、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給をするなど、一人ひとりが正しい対処法を知り、周囲に声を掛け合いながら熱中症を予防しましょう。

正しい手洗いの仕方&咳エチケット:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の予防」
ワクチン接種

予防(ワクチン)接種とは、感染症の予防に有効であると確認されたワクチンを接種することによって、病気に対する抵抗力(免疫)を高める方法です。かかった場合に重症化しにくくする効果が期待されます。乳幼児を中心に公的に実施される予防接種が各種あり、インフルエンザの流行期前にインフルエンザ・ワクチンを接種すると、発病予防と発病後の重症化を防ぐ一定の効果があるとされています。

食品・調理器具の加熱処理

一般的にウイルスは熱に弱いため、加熱処理はウイルスの活性を失わせるために有効な手段と言えます。ノロウイルスの汚染のおそれのある二枚貝などの食品は、85〜90℃で90秒以上、中心部までしっかりと加熱しましょう。
調理器具等は洗剤などを使用し十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くことでウイルスを不活性化することができます。また、まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効です。

※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)

免疫力を高める

免疫は私たちの体を守ってくれる重要な仕組みです。免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなるだけでなく、悪化するリスクも高まります。免疫力を高めるために、バランスのよい食事と十分な休息をとること、運動や入浴の習慣をつけること、部屋を適度な湿度に保つことなどを心がけましょう。

免疫力を高める食事のポイント:日本成人病予防協会「感染症を予防するためにできること」

新型コロナウイルス感染症に備える感染症の予防法

新しい生活様式

新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、感染拡大を予防する「新しい生活様式」の普及と実践が呼びかけられています。ウイルスと共存しつつ、社会経済活動を行っていくために、私たち一人ひとりができることを心がけましょう。

「新しい生活様式」の実践例
1. 一人ひとりの基本的感染対策
人との間隔はできるだけ2m(最低1m)空ける
遊びに行くなら屋内より屋外を選ぶ
会話をする際は可能な限り真正面を避ける
感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控える
発症したときのため誰とどこで会ったかをメモにする
2. 日常生活を営む上での基本的生活様式
こまめに換気
3密の回避(密集 密接 密閉)
毎朝の体温測定 健康チェック
3. 日常生活の各場面別の生活様式
買い物…1人または少人数ですいた時間に, 電子決済・通販の利用, サンプルなど展示品への接触は控えめに
公共交通機関の利用…会話は控えめに, 混んでいる時間帯は避けて, 徒歩や自転車利用も併用する
食事…持ち帰りや出前・デリバリーも, 大皿は避けて料理は個々に, 料理に集中・おしゃべりは控えめに, お酌・グラスやお猪口の回し飲みは避けて
娯楽 スポーツ等…筋トレやヨガは自宅で動画を活用, ジョギングは少人数で, 予約制を利用してゆったりと, 歌や応援は十分な距離かオンライン
冠婚葬祭などの親族行事…多人数での会食は避けて, 発熱やかぜの症状がある場合は参加しない
4. 働き方の新しいスタイル
テレワークやローテーション勤務,
時差通勤でゆったりと
会議・名刺交換はオンライン
出典:厚生労働省「新型コロナウイルスを想定した『新しい生活様式』」より抜粋
高齢者の感染症対策

新型コロナウイルス感染症に罹患すると、約8割の方は軽症で経過し、治癒する例も多いですが、一方で重症化すると死亡リスクが高まることが報告されています。特に、高齢者や基礎疾患のある方では重症化するリスクが高いとされています。さらに新型コロナウイルスのように感染力の強い感染症が発生して生活の自粛が必要となる場合、感染を恐れるあまり外出を控えすぎて心身の機能が低下し、「動けなくなる」ことが懸念されます。転倒などを予防するためにも、日頃からの運動が大切です。

自粛生活を送る場合、高齢者として気をつけたいこと 〜日々の健康を維持するために〜
運動をしよう
人混みを避けて、一人や限られた人数で散歩する
家の中や庭などでできる運動(ラジオ体操やスクワットなど)を行う
家事(庭いじりや片付け、立位を保持した調理など)や農作業などで身体を動かす
座っている時間を減らし、足踏みをするなど身体を動かす
食生活・口腔ケアをしっかりと
3食欠かさずバランスよく食べて、規則正しい生活を心がける
毎食後、寝る前に歯磨きをする
しっかり噛んで食べる、一人で歌の練習をする、早口言葉を言うなど、お口周りの筋肉を保つ
人との交流を
家族や友人と電話で話す
家族や友人と手紙やメール、SNS などを活用し交流する
買い物や移動など困ったときに助けを呼べる相手を考えておく
出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症への対応について(高齢者の皆さまへ)」

いざというときには

かもしれない?と思ったら

感染症を発症したと思ったら、まずはかかりつけの医師や最寄りの保健所・検疫所、感染症・予防接種相談窓口などに相談しましょう。
厚生労働省「感染症・予防接種相談窓口」

主な感染症の初期症状 ※下記は症状の例になります。発症が疑われる場合は必ず医師などにご相談ください。
新型コロナウイルス感染症
息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱
インフルエンザ(季節性)
38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛み、鼻汁、咳など
ノロウイルス
おう吐、下痢、腹痛、微熱など
結核
咳、痰、発熱、呼吸困難など、風邪のような症状

新型コロナウイルスへの感染が心配な方は、厚生労働省や自治体が発信する「目安」を参考に、かかりつけ医または帰国者・接触者相談窓口等に電話で相談しましょう。仕事や学校は休み、外出は控えましょう。咳などの症状がある場合は、咳やくしゃみを手でおさえると、その手で触ったドアノブなど周囲のものにウイルスが付着し、ドアノブなどを介して他者に病気をうつす可能性があるので、咳エチケットを行いましょう。
首相官邸「各都道府県の新型コロナウイルスに関するお知らせ・電話相談窓口」

家族が新型コロナウイルスに感染したら

家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合には、本人は外出を避けること。家族、同居人も熱を測るなどの健康観察をし、不要不急の外出を避け、特に咳や発熱などの症状があるときには、職場などには行かないようにしましょう。

新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項
  • 感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける
  • 感染者の世話をする人は、できるだけ限られた方(一人が望ましい)にする
  • できるだけ全員がマスクを使用する
  • 小まめにうがい・手洗いをする
  • 日中はできるだけ換気をする
  • 取っ手、ノブなどの共用する部分を消毒する
  • 汚れたリネン、衣服を洗濯する
  • ゴミは密閉して捨てる
厚生労働省「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(日本環境感染学会とりまとめ)」